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テニスに死す テニスを通じて生きる力を何とか保持する崖っぷちのオールドビジネスマンがテニスと仕事に関しての日ごろの感想を取りとめもなく綴らせてもらいます。テニスコートは半分死にかけの陸にあがったうなぎ野郎にとっての辛うじて残された水溜りですな。言ってみれば。

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ナダルに外交辞令を許さなかった錦織圭

金星と月と木星の黄金色のペンダントが

西の夜空に懸かっているの見たときに感じた

錦織勝つの予感は残念ながら、実現しませんでした。

ナダルとの戦いは6-4、6-4のストレート負けでした。

スポーツナビの内田暁さんの記事を読んでください。

この記事は感動的です。

「錦織がこの試合で何をし、何を求めているかは、最初の

ラリーで明らかだった。

(中略)錦織。彼は間違いなく善戦ではなく、勝利をつか

みにいった。」

錦織はただの善戦ではなく、勝利をつかみにいった、とい

う言葉にわたしは「ぐっ」と来ました。

リスクを負って攻める、という試合前の言葉通り、相手の

様子を伺うようなショットは一本もない、鬼気迫る集中力

で攻め立てる錦織の気持ちはコート一杯に表現されたよう

だ。

テニスに限らずであろうが、勝負を決めるのは

力や技以上の何かが関与してくる。

最大のパーフォーマンスを生み出すのを邪魔する

厄介なものをどう扱うかが今後といわず常々の

課題になるようだ。

内田さんは邪魔者の介入を次のように書いておられる。

「試合開始から、既に約30分。咳払いをするのもためら

われる程の高質な攻防の中で、一歩先んじたのは、錦織の

方だった。

だが、心技体全てをぎりぎりまで張りつめた戦いの中で、

先に精神の糸に緩みが生じてしまったのも、錦織の方だっ

た。」

錦織はつぎのようにそこのところを述べているそうだ。

「攻めて攻めてブレークしたので、少し迷いが出た。

リードしているからこそ攻めなくてはいけないのに、

守りに入ってしまった。気持の部分が大きかったと思う」

確かに、いかにプロとはいっても攻めるのは体力も

精神力も消費する、出来ればそういう力は少しでも

温存しておいて、一番必要なところで最大限発揮できる

ようにしたいという気持ちが出てくるのだろう。

だからこそ、一旦ブレークして相手をリードしたら

いわば、凪のなかをゆったり進むがごとくに

コートの上を、気持ちの上でたゆたいながら

リードを守ってゆきたいという気持ちがわずかでも

働くのかもしれない。それを錦織選手は「少し迷いが出

た」

という言葉で表現しているのかもしれない。

しかし、そういう「迷い」は一瞬的なものであるのだろう



そこにつけいる隙を見出す相手も相手だ。

こういうレベルのテニスは真剣勝負のような際どさに

満ちている。だからこそ意識に仕事をさせたらダメなの

だ。

いかに意識に邪魔させないで、自己の肉体のパーフォーマ

ンスを最大の極限までもってゆけるかが勝敗を分けるのだ

ろう。

残念だが負けは負け、しかしナダルを相手に勝ちにいって

の負けなのだから、まだ力が足りないともいえるかもしれ

ないが内田さんの次の言葉にはたとえ錦織は敗れたとはい

えども錦織ファンには勝利に近い喜びを与えてくれるもの

だ。

「試合終盤に見せたナダルを翻弄(ほんろう)するプレー

の数々は、天賦の才である創造性に、大幅に上昇したフィ

ジカルが融合して生み出された、2012年型錦織圭の真

骨頂である」

そして、ナダル自身も以前のような「トップ10になれる

選手だ」というような外交辞令的なほめ言葉ではなく、実

感のこもった感想をもらしていること自体も錦織選手の成

長の証であるだろう。

詳しくは内田さんのブログを是非読んでください。





錦織圭 | 投稿者 テニスに死す 02:14 | コメント(0)| トラックバック(0)
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